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リプレイスの見積もりが妥当か、発注側が確かめる4つの問い

公開日:2026-08-12 更新日:2026-08-12

意思決定者向け

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システムの作り直しを検討して、何社かから見積もりを取った。金額に3倍の開きがある。どれが妥当なのか判断できない。よくある状態です。

技術の中身を理解しないと判断できない、と思われがちですが、そんなことはありません。見積もりの妥当性は、金額そのものより、その金額をどうやって出したかに表れます。次の4つを聞いてみてください。技術的な知識は要りません。答え方で、相手がどこまで分かっているかが見えます。

1. 現行システムの何を、どこまで調べましたか

最初に確かめるのはここです。作り直しの見積もりは、いま動いているものを調べないと出せません。

調べたと言われたら、何を見たかを具体的に聞きます。画面の数、バッチの数、外部とつながっている箇所の数。数字が出てくれば、実際に触っています。「一般的にこの規模なら」という答えが返ってきたら、調べていません。

調査に費用がかかると言われることもあります。それは正しい進め方です。調査を無料で済ませようとすると、その分は見積もりのどこかに乗るか、あとから追加になります。

2. 最初に動くものが出るのはいつですか

完成までの期間ではなく、最初に動くものを見られる時期を聞きます。

ここで「全部できてから」と返ってきたら、注意が要ります。一年後に初めて動くものを見る進め方は、途中で軌道修正ができません。認識の食い違いは必ず起きるので、それが半年後に判明すると、その半年分がやり直しになります。

望ましいのは、数週間から二か月程度で一部が動く形です。全機能ではなく、業務の一本の流れが通っていれば十分です。そこで認識を合わせられます。

3. 途中で範囲が変わったら、どう決めますか

範囲は変わります。変わらない前提の見積もりは、変わったときに揉めます。

聞きたいのは「変わりません」という答えではなく、変わったときの決め方です。誰と誰が話して、何を基準に、いつまでに決めるのか。ここが決まっていれば、変更があっても進みます。決まっていないと、そのたびに交渉になります。

あわせて、範囲に入っていないものを聞いておきます。見積もりには含まれるものが書いてありますが、含まれないものは書かれていないことが多い。データの移行、既存システムの停止作業、運用手順の整備、社員への説明。このあたりは抜けがちです。

4. 引き継ぎのとき、何を渡してもらえますか

作り終えたあとに何が手元に残るかを、契約する前に聞きます。

コードが渡されるのは当然として、それ以外に何が付くか。動かすための手順、テスト、設定の一覧、変更の履歴。これらが無いと、次に何かあったときにまた同じ会社に頼むしかなくなります。今回作り直すことになった原因が、たいていそこにあります。

渡せないと言われた場合、理由を聞きます。合理的な理由がある場合もありますが、多くは「作っていない」だけです。

安い見積もりが危ない理由

3倍の開きがあるとき、安いほうが得だとは限りません。

安くなる理由は3つに分かれます。調べていないから安い。範囲を狭く取っているから安い。本当に効率がいいから安い。3つ目なら理想ですが、上の4つの問いに答えられない場合、たいていは1つ目です。

調べずに出した金額は、始まったあとで必ず動きます。動いたときに追加費用の交渉が始まり、そこから関係が悪くなります。最初に高く見えた見積もりのほうが、終わってみると総額で安かった、ということが起きます。

判断できないまま発注しない

4つ聞いても判断がつかないことはあります。そのときは、いきなり全体を発注せず、調査だけを先に依頼する方法があります。

調査の結果として、現行システムの状態と、作り直しの範囲と、概算が出てきます。その資料は他社に見せることもできます。調査に払う費用は、判断を間違えたときの損失に比べれば小さいものです。

私たちも固定価格は先に出しません。現行システムを調べる前に出せる金額は、当てずっぽうにしかならないためです。